僕は君の考え方には共感はできない。
しかし、君はおそらく、僕の知らない幸せをこれからも生きていけるのだろう。
ー 136ページ
書籍情報
書籍名:君がオヤジになる前に
著者:堀江貴文 (著)/福本伸行 (イラスト)
出版社:徳間書店
レーベル:ー
発売日:2010年10月29日
購入日:ー
読了日:2012年06月17日
レビュー日:2012年06月17日
目次
まえがき いま「君」にむけて(1)
25歳の君へ(9)
Case1 起業という選択
Case2 本当の働き盛り
Case3 趣味と仕事の限界
28歳の君へ(43)
Case4 結婚と保険と
Case5 「待つ」という言い訳
Case6 マイナス感情の克服
32歳の君へ(75)
Case7 クリエイティビティとは
Case8 人脈とスキル
Case9 情報を得ることの意味
35歳の君へ(111)
Case10 利益を生む経営
Case11 友人と包容力
38歳の僕へ(137)
Case12 充実した人生の定義
対談 「これから」を生きる君へ 福本伸×堀江貴文(173)
あとがきに代えて(220)
感想・備忘
2012年当時に記載したレビューを転記します。
友人に借りて読みました。
ホリエモンの著書を読むのは初めてだったんですが、自分がイメージしていた人物と実際あまり差がなく、「やっぱりなぁ」という感じ。
おそらくTVで受けるイメージそのまま、と感じる人が多い気がします。
そんな印象を含めて、本を読み終わって思ったのは、この人は良い意味で本当に「素直」、自分に嘘がつけない人なんだろうなぁということ。
悪いことを何もしていない相手に、「ごめんなさい」と頭を下げる行為が、皮膚感覚的に嫌なのだ。
村上さんはそこを平気で演じられる人なのだが、僕はそれができない。頭ではわかっていても、身体が受けつけない。それだけの違いだ。
(略)
いずれにしろ、あの場面で頭を下げなかったことで、僕は自分が築き上げた会社も社会的地位もごっそり失ってしまったわけだが、まったく後悔はしていないp147~148
この一文が、彼の性格、というか、彼の本質を言い表しているんじゃないかなぁと。
私個人は、元々ホリエモンに悪いイメージはなくて、フジテレビを買収しようとしていたときも「なんか珍しいことやってるなぁ」と子ども心に思って興味がわいたくらいでした。
色々ビジネス書を読んだけど、そのなかでも(現代としても)すごく珍しい、多分「絶対にブレない」自分の軸を持っている数少ない方だと思います。その軸が世間的に良いか悪いか、好まれるか好まれないかは別として、彼のその軸(例えば、「才能のない人を経済的にも社会的にも救い上げる」必要性がなぜ必要か)を、感情論ではなく理論的に打破できる人はそう多くはないでしょう。
それはつまり、私たちがそれを当然の美徳のように受け入れている事実であり、彼のいう”思考停止”状態に陥っているといえるのかもしれません。
ここから2024年の感想です。
ホリエモンの著書はその後何冊か読んだのですが、私はこの本が今のところ一番好きです。
スピッツの名曲が頭をよぎってしまうタイトルではありますが、干支が一回りするほど時が経ったホリエモン(と私)。
今年の3月のYoutubeで、「CTスキャン買ったよ」「消防車も買ったよ」と嬉しそうに言っている彼は相変わらず「オヤジ」にはなっていないようです。
また佐渡に来てほしいですね。
印象に残ったところ
初めに断っておくが、僕が本書で定義する「オヤジ」とは、年齢的なものではない。あらゆること―家族との向き合い方や仕事への接し方、服装や体系に至るまで―を、より良き方向へ改善することを放棄してしまった者たちへの表現だ。
彼らは現状にただ不満を持ち、将来に不安を抱えながらも、そこを打開しようという意思すら奮い起こせない。ただ、誰に向けるともなく不平を口にしているだけだ。それを僕は「思考停止状態」と呼ぶ。
ー 2ページ
転機がほしいのはヒマ人だからだ
ー 18ページ
僕も人を通じて、ガールズバーの経営をやりませんか?ともちかけられたことがある。迷うまでもなく断った。あれは風営法に照らし合わせると充分、違法な商売だ。それを検挙するかどうかは、権力側の気まぐれ次第なんだ。
社会が成熟していく過程で、違法行為が少なくなればなるほど、権力側は自らの存在意義を維持するために、これまで問題視されなかった瑣末な違反も取り締まりの対象としていく。
ー 30ページ
パンツは自分で買え。
ー 64ページ
躊躇する人の大半は、「そこそこ」できる人たちだ。
ー 80ページ
包容力を持つ人は、自分が持っている才能を、惜しみなく仲間や家族に分け与えている。もっと言うと、能力のない人に奉仕できる。それが、幸福だと感じているんだ。
僕にはない発想だ。
能力のない人に、不相応な報酬を与えるのが、そもそも良いことなのか?
能力のない人は切り捨てなければ、本人のためにもならないんじゃないか?
この問いは、僕の38歳からの、重大なテーマのひとつとなりそうだ。
ー 133ページ
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