何か問題が生じたとき、多くの人はそれを解決してくれる答えがあると信じて疑いません。しかし、問題の答えはひとつだけとは限りません。さらに言えば、答えが「ない」ことが答え、ということもありうるのです。
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書籍情報
書籍名:「折れない心」をつくるたった1つの習慣
著者:植西聰
出版社:青春出版社
レーベル:プレイブックス
発売日:2011年3月30日
購入日:ー
読了日:2013年04月29日
レビュー日:2013年04月29日
目次
まえがき
1章 心を折っているのは、じつは自分だった?
「心が折れにくい」のはどういう人か
では「折れる」一番の原因は?
自分の”ポイント”はどこかを知ろう
そこがコンプレックスだから打たれると弱い
「自信が持てない」なんて珍しくない!
人生のハンドルを他人に預けていると…
最初から自分を嫌いな人はいない
厳しい母親に育てられた子ども
一日のうちネガティブな時間が長い人、短い人
2章 なぜ折れやすいのか、意外な原因を知ろう
「マイナス」を引き寄せていませんか?
今の自分を否定しない!
マイナス・エネルギーの持ち主からとにかく離れる
自分の気持ちに敏感になろう
「怒り」、イヤな思い出を手放せるトレーニング
「今の自分のままでOK」と口に出して言ってみる
笑顔がプラスのエネルギーを増やす
厳しすぎる自分を見直す
人に話しかけられることが増えるヒント
3章 無理にポジティブにならなくていい!
その”ポジティブ・シンキング”は大丈夫?
マイナス感情にフタなんてしなくていい
「ポジティブ思考」が向かない人
金科玉条をそのまま自分に当てはめない
負のスパイラルから抜け出せる考え方
ムリに前向きにならなくても状況は変わる
解決しなくていいことも沢山ある
たとえば、眠れないときの「逆説療法」
理想を下げてみる絶大な効果
4章 自分の中の「へこたれない心」を呼び覚ます
他人のストライクゾーンに合わせない
他人とよりも、自分との約束を優先する
自分の「できる部分」に目を向ける
自分からアクションを起こすと…
自分を苦しめる言葉を捨てる
一つでいいから「本当に好きなこと」を始める
誰にも会わない時間をつくる
人と比べるならこの「プラスの比べ方」を!
「自分らしさを大切にする」とは?
5章 ちょっとヘコんだときの確実なヒント
グチを言う代わりに深呼吸する
「リフレッシュできるアイテム」を用意しておく
「マイナス要因」を紙に書いて捨てる
「イヤなことは良いことの前触れ」と考える
目の前のことに集中する
「成長日記」をつける
一日ひとつ、昨日までと違うことをする
共感してくれる人に聞いてもらう
「やってみたいことリスト」を作る
6章 立ち直れなさそうな心に効くメニュー
“ないないづくし”松下幸之助の考え方
「5年後の自分」から今の自分を見てみる
「あの人ならどうするかな?」と考える
何度も思い出してムカムカするとき
「良いこと探し」を意識的にやってみる
「ファンタジーマップ」を作ってみよう
“犯人”が見つかっても幸せにはなれない
最悪のケースを想定してみる
時間を味方にして、良いタイミングを待つ
7章 「視点」をシフトすれば人間関係に強くなる!
「自分のために」相手を許す
見返りを欲しがるくらいならやらなくていい
苦手な人を意識すぎないコツ
「一人になる日」をつくる
「出会い」への下心を持っていると…
相手を変えるより「ルール」を変える
釈迦の「悪口は毒蛇」の意味
無理に好きにならなくていい!
イヤな人を近寄らせない言葉
8章 脳のしくみを生かした“高いハードル”の越え方
緊張、不安は当然
不安なときこそ、やるべきことを整理する
「できる理由」を書いて、数えてみる
プロセスを楽しむ”しかけ”をつくる
脳はイメージと現実を区別できない
ハードルが高いときほど、ちょっとだけやってみる
9章 すぐ折れない心をつくる新しいアプローチ
ないものではなく「あるもの」に目を向ける
他人の役に立つ習慣を身につける
「どうすれば、楽しく過ごせるか?」と考える
捨てないと、新しいものは入ってこない
他人のいいところを見つけるクセをつける
体からプラスのスパイラルを生む
部屋に花や観葉植物を飾る意外なメリット
思っていることを言葉で表現する
「人に喜ばれること」を習慣にするヒント
10章 「折れない人」になる言葉の使い方
使う言葉をプラスに変えるだけで…
自信を育てる「言い直し」の方法
「ありがとう」のプラス・エネルギーの大きさ
うらやむ代わりに喜ぶ
人生は、ふだん話している言葉通りになる
成功者の言葉を真似する効果
怒りやイラだちは言葉にしない
「どうせ」と「なんて」を封印する
自分をほめると元気がわいてくる
感想・備忘
2013年当時のレビューを転記します。
昔、人から勧められたことがあったのですが、たまたま先日本屋に入ったら、特集コーナーに平積みされていました。ちょうど、自分自身を考えなければいけないことになって、少し気落ちしていたので、なにかの縁だろうと購入して読みました。
Amazonのレビューでもありますが、本当に精神的に参ってる人が読んでも、あまり解決の糸口は掴めないかもしれません。
この本はどん底ではなく、もう少し前の段階、あるいはどん底から上がってきたけれど、「ではどうすればよいのか」「頑張ってみてはいるけどこれでいいのか」と、自分に自信を持てない、なにか不満を抱えている人向けだと思います。
書いてある内容は、なにも問題がない人からみれば「何を当たり前のことを」と思うようなことしか書いてありません。
でも、自分に自信が持てない人は、まさにその「当り前の言葉」を、自分ではない誰かにかけてほしいのだろうと思います。
私の場合はまさにそうで、昨今はとにかく自分に自信を持てない状態。その中で試行錯誤してやっているつもりなのだけれど、それが良いのか悪いのかわからない。
どちらかというとオドオドしながら試しているので、すこしリアクションがあると、すべてそれを悪い方にしか取れないのですね…。
そして一度悪い方で解釈すると、その後もずっとそのままの方向で転がっていく。それを打開したいのだけれど、力を注ぐ方向を間違えていると、どんどんおかしなことになっていって、最終的に他人からの評価に合わせたことをするから、自分が当初目指していたものとはまるっきり違うものが出来上がる。
そんなの当然うまくいかなくて、それを自分ではなく、惑わせた周囲のせいだ!と思いたくなってしまう…というような感じです。
そうではなく、まずそう考えてしまうことを自覚し、その原因を考え、現在の自分を認めてあげる、そんなことをしてくれる一冊です。
私は読んで、「あぁ、私は認めてほしかったのだな…」とつくづく思い、だいぶ救われました。
自己肯定感の低い人は、卑屈になって他人を傷つけてしまう前に、この本を読んでみることをお勧めします。
印象に残ったところ
マザー・テレサは、貧しい人たちを助ける奉仕活動を続ける中で、こんな言葉を残しました。「この世で一番不幸なことは、飢えや病気ではない。一番不幸なことは自分がこの世で必要とされていないと感じることである」これは、貧しい人たちに限ったことでなく、現代の日本人も同じです。「自分は必要とされていない」という気持ちを感じる機会が多い人は、ちょっとしたことで傷つきやすく、心が折れやすくなるのです。
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自己肯定感の低い人の特徴として、他人に過剰に期待している人が多いということがあります。
─ 24ページ
何か問題が生じたとき、多くの人はそれを解決してくれる答えがあると信じて疑いません。しかし、問題の答えはひとつだけとは限りません。さらに言えば、答えが「ない」ことが答え、ということもありうるのです。
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