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【美術館】スタジオ設立30周年記念 ピクサー展(2016/03/05-2016/05/29)

3月の話になりますが、東京都現代美術館で開催されている「スタジオ設立30周年記念 ピクサー展」に行ってきましたので、備忘録を。

長編映画としては世界初のフルCGアニメーション作品「トイ・ストーリー」をはじめ、「ファインディング・ニモ」、「カールじいさんの空飛ぶ家」などを手掛けてきたピクサー。
その前身は、「スターウォーズ」、「インディ・ジョーンズ」を手掛けたジョージ・ルーカス創設の「ルーカスフィルム社」が創立したコンピュータアニメーション部門にさかのぼります。

この団体をルーカス・フィルム社から買収したのが、今は亡きスティーブ・ジョブズ。
諸所で言われていますが、トイ・ストーリーの制作のために掛かった膨大なCG技術開発費などを含め、通常なら中止されてもおかしくない規模のお金のかかったプロジェクトを完遂できたのは、結局ジョブズがいたからかもしれません。
2006年よりウォルト・ディズニーの完全子会社となったピクサーですが、このディズニーとのあれこれを含めて、設立からの歴史を振り返ると非常に面白い会社だと改めて思います。

地下鉄半蔵門線の清澄白河駅で下車後、10分ほど歩くと到着する東京都現代美術館。
私は初めて行ってきました!
当日はピクサー展が始まったばかりの週末ということもあってか、朝早く行ったのにすでに混んでいました。客層は、作品柄、ちびっ子や、若い女性の方が多いようでした。

館内にはピクサーの大人気作品「モンスターズ・インク」のサリーとマイクと記念撮影できるスペースも。
事前に口コミを見た結果、今回は音声ガイドは借りませんでした。
実際行った感じでも、必要ないかな、と思います。

私が行ったときは手にとっている方が少なかったですが、フロアマップが配布されていました。

展示フロアは1階と3階。
2階はお手洗いと休憩スペースがあるので、ちょっと一息つくことが出来ます。
1つ1つのフロアが狭いので混みがちですが、特に混んでいるのは「ゾートロープ」と「ショートフィルム」のコーナー、そしてショップ(笑)かなと感じました。

ゾートロープとは、日本語訳すると「回転のぞき絵」といわれるもので、静止画を素早く入れ替えることで、あたかも動いているかのように見せる器具だそうです。

回転のぞき絵 - Wikipedia

今回展示されているのは、トイ・ストーリーのキャラクターたちの模型で作られたもので、少しずつ表情や動きの違う人形を円形に並べ、その台が回転されると…なんとアニメのように動いて見える!というものでした。
残像なので、台が止まったあともちょっと映像がちらつく感じも面白くて、その場で観ている子どもはおろか、大人まで思わず「おぉ~!」と歓声がもれてしまう、楽しい時間が味わえます。
混んでいるし、私が観に行ったときは係員の方も特にいなかったのですが、鑑賞している方がみんなマナーがよく、前のほうで観ている人はしゃがみ、うしろの人がみえるように配慮し、見終わったあとはきちんと前のほうから退席していったので、順番を待てばちゃーんとしっかり見ることができました!ありがたや~!

ゾートロープとショートフィルムの間のコーナーには、ピクサーで実際に働くアーティストたちのインタビュー映像が流れていました。
どれも1つにつき2分ほどでしょうか…。これを見ると、ピクサーのアニメーションが出来上がるまでにこんなにたくさんの工程、人々が必要なのかぁ…と感慨深くなります。
あとは、もうみなさん「ここで働くことが楽しくてしょうがない!」という感じが伝わってきて、これがこのスタジオが面白い作品を作る最大の要因なんだろうなぁと。

印象的だったのは、とあるアーティストの、「たくさんアイディアをつくる。でも、思い入れは深くしない。思い入れを深くすると、自分よりいいアイディアを周りが出してもそれを素直に認められなくなる」みたいなお話し。そして、自分のアイディアが没になっても、それでいいんだと思えるほど、周りには素晴らしいアイディアを出す仲間がいるという素晴らしい会社なんだ、という誇らしげなもの。
素敵だなぁと思いました。

ショートフィルムは実は時間がなくてあんまり見れていないのですが、2部屋あって、どちらの部屋も巨大なスクリーンにエンドレスでアニメーションが流れています。

3階の「アートスケープ」では、部屋の壁一面に設置された巨大スクリーンにアニメーション(効果音はあるけどセリフはない)が流れているのですが、これがまた、観ているうちに、「アニメーションじゃなくて実際に目の前にあるんではないか?」と思ってしまうような立体感や奥行が感じられて楽しかったです。

出口にあるショップはとても混んでいました!
私と、一緒に行った人はいずれも「手ぶらで行こう」と入館前に館内のロッカーに荷物を預けてしまった関係で、何も買えませんでした…。失敗した…。

展覧会を楽しんだあとは、近くだったので清澄白河底辺へ行ってきました。

チケットの裏面。
何回か来ていますが、チケットをちゃんと読んだの初めてでした。

桜の開花がまだだったのが残念でしたが、ポカポカ陽気で、1時間くらいベンチに座ってぼーっとお喋りしながらのんびりしました。
大半はピクサー展の感想と、私がその直前みていた「かぐや姫の物語」に発する、ジブリとピクサー(ディズニー)のあれこれだったのですが、どこで脱線したのか最終的に「地方病」の話になって、教えてもらったWikipediaを家に帰ってから見て「うひー!!」となりました(笑)
相当感動したのですが、掲載されている写真が貝とかちょっとグロテスクだったりもするので、閲覧する際はご注意を。

…ピクサー関係なくなってる。

なお、ジブリとピクサーのあれこれで私が感動したのは、伊集院光さんがラジオで言っていた、高畑勲監督が、

ピクサーはコンピュータ技術を発展させて、それによってどんどん作品を創り出す、いわゆる技術をプラスしていくような作品を世に送り出していってる
自分はそうではなくて、自分はもともとアニメじゃなくて絵画のほうに興味があった人間なので、絵画が動いているみたいなアニメーションが作りたいんだけど、一枚一枚が絵画みたいなコンテを人力で書いてるんでは無理がある。
だから、コンピュータが発展したことによって、その人力で無理な作業をコンピュータにやってもらって、いわば無駄なものをそぎ落として作品を作るためにコンピュータを使いたい。引き算の考え方である

みたいなことを言っていて、「あの人はやっぱりすごすぎる」と言っていたけど、私はその分析をした伊集院に戦慄した。天才と天才を掛け算するとすごいことになるんだなと改めて思いました。
あー!インクレティブの続編たのしみ!

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