雑記

【読書記録】2012.12.09 「歴史の愉しみ方」レビュー

読書記録メモと、2012年私の中の最大ヒット「歴史の愉しみ方」のレビューです。

読んだマンガ

最近読んだマンガ。

ちはやふる 17巻(飛ばしてたやつをやっと読みました)
君に届け  17巻
暁のヨナ  1~9巻
神様はじめました 5~10巻
テルマエ・ロマエ 4巻

神様はじめました、は、読んでみたいなぁと思っていたのだけどなかなか機会がなかったのですが、こないだレンタル冊数の数合わせで借りました。でも1巻から4巻まで貸し出し中だったのですごい微妙なところを…。
途中からでも全然読むの平気なタイプなので(なんとなく読んでると分かるし)、こういう話なのかーという感じ。多分読んだところがストーリーの転換期っぽかったのですが、ちょっと続きを借りるかは微妙…。

*2016/12/17 追記*
その後、13巻くらいから最終巻まで電子書籍で買って読むほどハマっていました。面白かったです。

 

思ったより面白かったのは暁のヨナ。
絵柄がとっても少女漫画(りぼんとか系)なので、どうかなーと思っていたんだけど、読みすすめていたらストーリーが面白くて夜中に一気読み。
十二国記とBASARAを思い出しちゃいました…。続きも借ります、きっと。

*2021/07/28 追記*
未だに電子書籍で買って読んでいます。ジェハ推しです。

*2023/11/11 追記*
未だに電子書籍で買って読んでいます。相変わらずジェハ推しですが、アルギラもとても好きです。

 

君に届けは、もう、ここで「完」となってもいい一冊だった。あー、逆にこれからどうしちゃうんだろう…読みたいような読みたくないような…でもやっぱりピンとあやねちゃんにくっついてほしいのねん。もしかしてピンはあやね姉とくっついたりするのかしら…、と現実を受け止められないどこまでもあやねちゃん+ピン押しな私でありました。

あと今更ジョジョを読み始めました。読んだあとにジョジョ芸人(アメトーク)を見直すとさらに面白い。

 

歴史の愉しみ方レビュー

で、「歴史の愉しみ方」ですよ!!!詳細レビューはブクログに書きました。
(ブクログ:歴史の愉しみ方)
多分今までのレビュー(といってもたいして書けていないんですが)のなかで一番長くなった…。
もうほんとに、久しぶりに面白い一冊に出会えて読後とっても満足&大学図書館行きたい!ってなりました。

わたしは、歴史家だ。みみずの這ったような字で書かれた古文書の文字のなかに、きらめくような一行があって、だれもしらない真実をみてしまった瞬間がたまらない。いつやってくるか知れぬ、その瞬間のために、生きているようなものだ。 (p59)

とか、もう読んでて感動したりワクワクしたり考えさせられたり!内容のレビューはブクログに書いたので、個人メモ的なことを以下備忘録。

 

第2章歴史と出会う 頼山陽の真贋

著者は京都の古本市で、頼山陽の書状を購入。安すぎるので偽物だと思ったが、内容がいいのでいいや、と思ったらしい。でも買ったあとに本物だったらいいなと思ってしまうので、頼山陽に詳しい京都の山添天香堂に赴き、店主にその書状をみせた。「私らがいつも見てるのとは違いますわ」と店主は店の奥に入っていってしまい、やっぱり偽物だったかと「しおれた」著者。こういう表現がいちいち可愛い。ところがどっこい、

店主が戻ってきて一紙片を差し出した。「今、山陽を好まれる若い方少ないんです。これ、差し上げます」。驚いた。それは正真正銘頼山陽の真筆。しかも文房具の老舗である鳩居堂あて。店主は若い私が可哀想になったらしい。「今は安い。うちには沢山あるから」と店主がいう。しかし、ただでは貰えない。「山添さんはプロです。ただではいただけません」と懸命にいって帰りの新幹線代以外、有り金全部出したが所詮、無職の財布である。たかが知れていた。
それでも店主はニコニコ。書状の中身はまだ読んでいない、というから早速解読してみると、びっくりした。
(略)
「親しさの表れ」というと、山添さんは嬉しそうに大きくうなずいた。
p46

これを読んでいて、思い出したことがある。
大学に入学して上京したての頃、夢だった神保町がたまたま通学路(=定期圏内)だったのをいいことに、よく散策していました。とはいっても、私は古文書は当時全く読めなかったので、関心はもっぱら絶版になったりしている古書。
高くて学生には手が届かないものも多いので、どうしても気になったときは数回に分けて立ち読みに行って、当時はスマホもなかったので帰宅して脳内メモリを文字に起こしたりを繰り返したり…。

そんなある日、サークル活動の買い物ついでに、友人とまた神保町に寄ったわけです。
別学科で同学年でしたが私より結構年上な人で、大学に入る前は山伏やっていたという、私からしたら異色の経歴を持つ彼は、古文書もすらすら読める人でした。で、彼が「ちょっと寄っていこうよ」と、私がいつもなら絶対に入らない、古文書オンリーなお店に入っていったわけです。
まぁ近代の和本もあったので、私は明治初期頃の和本を「わぁー!」と見ていたのですが、彼はみみずの這った文書に夢中。「みてみて!これ〇〇だよ!」とキラキラしている。
すると、レジのところにいた奥さんが店の奥に入っていって、旦那さんと思われる人を伴って戻ってきた。
旦那さんは彼に、「なにをお探しですか?」とたずねて、彼となにやら会話をしたあと、店の奥から巻物をもってきた。どうやら近世初期の写しらしい。彼はまたそれを読んで、私を呼んで、「見てこれ!すごいなぁ!〇〇の巻物だよ!勿体ない、拝んどこう!」といって、巻物を拝み出した。
さすが山伏、と拝む姿をみて色々絶句していたが、旦那さんは嬉しそうに彼に巻物を見せていた。

まぁ、貧乏学生同士だったので結局買わずにお店を出たわけですが(うん百万でした…)、「やっぱり神保町はすごいなー」とつくづく思いましたとさ。
彼らは「プロ」であるので、書状や巻物、古文書の価値も(値段だけでなく)知っている。知っているから、きっとそれにふさわしい人を選んでいるんだろうなぁ、と。

山添さんと磯田さんが上述のものが初対面だったかは分かりませんが、おそらく山添さんは本当に山陽の書をタダで磯田さんにあげるつもりだったんだろうし、それだけの価値があると思ったんでしょう。
実際、磯田さんはこうして文書を読み解き(それはもう楽しそうに)、その成果を世に報告している。生計は建てないといけないので売れないと困ってしまうのでそこは必須なんだけれども、書状が活かされる人の手に渡るのが、店主たちの一番の喜びなんじゃないかなーと、素人ながらに思ったりしました。

 

第2章歴史と出会う 皇族旧蔵品の発見

これに関連する話が、次項の「皇族旧蔵品の発見」でも。これはちょっと個人的にホロリとする、ほんとに胸熱なお話でした。

著者が懇意にしている表参道の古美術店富士鳥居の店主、栗原直弘氏との思い出話です。
栗原氏が仕入れたペンギン三羽がくっついた陶器の置物。「両殿下御帰朝ノ節御持品」と箱に書いてあったことから、どこかの宮様のものらしい…ということで、この「宮様」を著者が調べたところ、日本アールデコ史の金字塔、朝香宮鳩彦王のものらしい。アールデコの記念碑的作品であるため、著者が栗原氏にその旨と伝えたところ、「このペンギンは旧朝香宮邸の庭園美術館にあったほうがいい。寄贈する」と。即断です。

栗原さんが庭園美術館に連絡すると学芸員さんが飛んできた。「私は館に就職以来二十年間これを探していたんです」。そう言って奮い写真を見せてくれた。宮邸の客間にペンギンが置かれている写真。「今度、アールデコの展覧会をやるんです。そこにこのペンギンを展示できるなんて」。まるで生き別れた親子の再会のよう。学芸員さんは本当に嬉しそうだった。「名品は永遠です。われわれなんて、品物の使いっぱしりのようなもの」。そういいながら、栗原さんはうまそうに煙草をふかしていた。
p51

読んだあと、当然ググりました庭園美術館。そしたらペンギンいました。

東京都庭園美術館
旧朝香宮邸の歴史を訪ねて > 第38回 朝香宮家旧蔵《三羽揃ペリカン(ペンギン)》置物

追記:
2017/01/15現在、トップから直接リンクが切れてしまっているのですが、サイト内の検索フォームで「旧朝香宮邸の歴史を訪ねて」で検索すると辿りつけます。

うぅ、泣ける!!胸熱!!!
こうなったら庭園美術館で是が非でも現物を!!と思ったら、現在全面休館中。やるせない。とりあえずリニューアル後、綺麗になった美術館を見るのも兼ねて行きたいです。

さらにこの次項、「斎藤隆夫の命がけの色紙」でも、露天商のおじさんとの話が出てくるのですが、この項の中で著者はこんなことを言っておられました。

自分は歴史家の卵だ。自分がきちんと歴史を書かねば正しいことをして不遇に終わった人物は犬死にになる、と思った。
p55

これはいわゆる、歴史の主軸を歩いていった人(古文書の中に出てくるような人)だけではなく、栗原氏や山添さんのことも大きく言えば含まれているのかな、と感じました。すごい大きいくくりでいうと、幕末維新期の長州藩を支えた白石家とかもこういう人たちと同じ分類になるのかなぁと。

いやぁ、面白い。ほんと今メモ取ろうと思って読み返していても面白い。あれもこれもメモしたいけど、実際に読んで欲しいので抑えておきましょう。

 

その他メモ

その他つれづれにメモ。
武士の家計簿の収録現場に立ち合わせた「第3章先人に驚く」の「江戸時代の倹約効果」。映画の小道具に江戸時代の本物が多く使われているのに驚いた著者は、これが高津商会という道具会社の巨大倉庫から貸し出されてきて、「高津は美術館も持っている」という説明を受けます。

高津古文化会館
この高津の美術館は高津古文化会館といって京都にあり、行ったことないんだけど一回行って見たいとおもっている美術館のひとつです。というのも、私が学生の頃一番最初にゼミで調べることになったのが伊勢の参詣曼荼羅なのですが、メインにした一幅をここが持っていたからなのですね。
実物みてなんぼな世界でもあるので、「どこにあるか調べてみなさい」と指導を受けたものの、あまりにも謎が多くて結局実物を当時は見にいけなかったのです…。で、それが見れたのが2009年の上野!

第62回式年遷宮記念 特別展「伊勢神宮と神々の美術」 – 東京国立博物館

3回くらい行きました。壁にへばりついて学友と見てました。(当時はアメリカの某氏が所蔵)
まぁ結果としては新しいことはなにも分からなかったのですが(学の無さ)、高津古文化会館本とずっと呼んでいたそれは目録だと「個人蔵」になっていて、高津さんが手放しちゃって誰かに買われたのかはまだ謎…。
なお、私が入学する数年前に、大学に高津かは分からないけど当時の所有者から「購入しませんか」の打診があったそうで、そのお値段2千万円だったかな。当時もあの曼荼羅の価値は不明だったので結果的に見送ったそうなのですが、「惜しいなぁ。もうちょっと早く入学してれば交渉できたかもしれへんなぁ」と恩師はパイプぷかぷかしながら笑っていました。

ちなみに個人的に「面白い…!」とツボだったのは多賀社曼荼羅です。
誰か木の前の男女の関係を教えてください。諸本で描写が違って「なぜ…」ってほんと面白い…!!
あとは、「陰陽師の埋めた胎盤」では胞衣のことが取り上げられていました。義経の胞衣塚も京都の北部に確かあったはず。

などなど、ほかにもとにかくネタいっぱい、好奇心をくすぐられる一冊でした。
とりあえず来年京都に行って帰りに新幹線乗るときは、私も「小早川はひきょう」って叫ぼう。

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