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戦国時代展-A Century of Dreams-(2016/11/23~2017/01/29) に行ってきました。

東京都両国にある江戸東京博物館で開催中の戦国展(前期)に行ってきました!

戦国時代展

享徳3(1454)年に関東で始まった「享徳の乱」、応仁元(1467)年に始り京都を焼け野原にした「応仁・文明の乱」。ここから始まり、織田信長による室町幕府第15第将軍足利義昭の追放(元亀4(1573)年)までをだいたい『戦国時代』と呼んでいます。
この100年に渡る時代を網羅的に取り扱う展覧会は今まであまりなく、1地域、1人の武将またはその郎党に限らない、大規模な展覧会になっていました。

戦国時代展-A Century of Dreams-(東京会場) - 公式HP

昨今の刀剣ブームの影響により刀剣コーナーが激混みという噂を公式ツイッターなどでみていたので、休日の15時半頃を狙って行ってきました。

東京会場の展示構成

東京会場は4部構成、すべて同じフロアでの展示になっていました。

展示構成
第1章 合戦静寂と喧騒
第2章 群雄 翔けぬけた人々
第3章 権威 至宝への憧れ
第4章 列島 往来する人と物

1章の目玉は個人的にはやはり「川中島合戦図屏風(米沢本)」です。左隻第三扇中央に描かれているのが、有名な武田信玄と上杉謙信の一騎打ちのシーン。けれどその周囲も見どころ満載です。
図録等では小さくて滅多にみれない周囲のほうをじっくりとみることができるまたとないチャンス!左隻第一扇には景家公も描かれていて、私も現物を観るのは初めてで楽しく鑑賞してきました。

最も混んでいるのが刀剣の展示されている2章。
刀剣コーナーは列整理までされていました…。私が行ったときは10分待ちくらいでしたが、日中はもっと混んでいるようで。
ただ、最前列で見るには並ばないとだめですが、ひとつ後ろの列から見る場合はショートカットですぐに行けるので、今回はそちらで満足しました。
ちなみに刀剣コーナーのすぐ横に元就公の三本の矢のあの直筆書状もあるのですが、そちらが意外と空いていてラッキーでした。
同行した人とはこの章では「小谷城絵図」を見ている時間が一番長かったかも。こちらも刀剣コーナーに人が集中しているおかげで空いていたのでゆっくり観ました。図録では付箋をよむのが厳しい大きさだったので、現物で楽しんだほうが良いです。
あとは上杉家の国宝コーナーというのが最後にあるのですが、今回の展覧会は各展示物の「題箋」に見出しのようなものがありまして。
そのテンションがこのコーナーだけ他と違った…。
きっとここを担当された学芸員さんは余程上杉家ないし戦国時代を愛してくださっているに違いない…と微笑ましい気持ちになってしまうくらいには熱かったので、ぜひ注目していただきたいです。いやでもよくこれだけ一堂に会せたなー、とただただ感動しました。

3章は上杉を中心とした、京都(朝廷)との交流が垣間見えるコーナー。
いやぁ、やはりお公家さまの書状は優雅ですね。それまでの戦国武将のあの質実剛健な料紙にみっちり書かれた書状のあとにみると、なんて贅沢なんだ…と思います。
個人的に面白かったのは、馬の鞍につける「毛氈鞍覆」。これでも当時の馬の高さ的に実戦では使えないよねぇ…という話をしながら音声ガイドを聴いていたのですが、笑った。
これを観るなら音声ガイド絶対合った方がいいです。
あとは洛中洛外図帖!これ期間内で展示されるページ変わるのかな?

ここまでは東国が非常に多かったのですが、4章は西国大名関連の比重が増えていました。
今回全く前調べなく行ったので、清水寺参詣曼荼羅が展示されていたのがサプライズですごく感動した…!あとは印をいれる「黄銅六花文印箱」と、墨をいれる「松藤蒔絵文台硯箱」が私は見たことないジャンルの展示品だったので、可愛さにやられました。
最終章は、戦乱が終わり秀吉、家康の時代が始まる…というところで終わります。

最後に「大原観音寺文書」を持ってきたあたりが、江戸博だなぁという感じがして感動しました。鳥獣戯画のときに京都国立博に対しても感じましたが、個人的には「物語」的な展示が江戸博さんはすごく上手な気がしてやっぱり大好きだなぁと思います。
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1点個人的な趣味の問題で残念だったのが、上杉謙信の肖像画がせっかく複数点きていたので、並べて欲しかったなー、というところ。
前期は明治期のものが2つ出展されているなか、1つは織田信長の肖像画と並べられてしまっていました(これは洛中洛外図へのつながり的な問題なのでしょうが…)。後期は江戸時代の林泉寺本が来るので、そちらはぜひ並べてほしいなぁぁぁぁ…!と切実に。

あと肖像画が多いので、これを読み直したい。

幸運なことに藤本先生の講義を受けたことがあるのですが、もうすごい面白かった…!
一緒に行った人も受講していたので、肖像画見ながら「もう鳥頭で忘れきっているので大学ノートを持ってきて見たい」と言っていたら、やはり最後のコーナーにあった協賛者のパネルのところにお名前がありました。リベンジするまでに読み直したい。

 

音声ガイド

前調べなく行ったので、音声ガイドを借りました。1つ550円。
今回は戦国無双とコラボしているらしく、ゲーム内の各武将を担当した声優さんたちが解説をしてくれます。
私戦国無双やったことがないので完全に初対面(?)だったのですが、多分心の準備なく一人で言っていたら確実に途中で堪えられなくなったであろうというくらい、色々すごかったです。ゲームどうなってるの。

※Wikipediaみてご出演された作品で「あの役の人だよ」って言おうとしたのですが、私が見ていたのが一部相当古い。
上杉謙信(中田譲治):封神演義の聞仲さんです。私は時代劇のイメージが強い…。
武田信玄(大友龍三郎):デジモンアドベンチャーのヴァンデモンさまです。
毛利元就(石川英郎):NARUTOのイタチです。
織田信長(小杉十郎太):リューナイトのイズミです。もっと分かりやすくいうと、ジョジョの承太郎です。

55.プロローグ
1.姉川合戦図屏風(展示期間:2016/11/23~12/9。これ以降は複製)
2.芸州厳島御一戦之図
3.川中島合戦図屏風 米沢本
4.泥足毘沙門天立像
5.足利家の人々について
6.織田信長像
7.手鑑 多々良の麻佐古
8.刀 義元佐文字 無名(展示期間:2016/11/23~12/18)
9.毛利家文書 毛利元就自筆書状
10.色々威腹巻 兜・大袖付
11.毛氈鞍覆
12.君台観左右帳記
13.連歌懐紙について
14.北野天神縁起絵巻、松崎天神縁起絵巻 室町本
15.一乗谷朝倉氏遺跡出土資料について
16.平清泰西国三十三所巡礼納札、平清泰坂東三十三所巡礼納札
17.勝山館跡出土遺物について
18.アジアとの交易について
19.東照大権現像
20.大原観音寺文書、エピローグ

展示品とのバランスがすごく良かったなー、と思いました。
有名な品にガイド偏りがちですが、今回は出土遺物の解説が2つもついていて個人的に勉強になりました。解説があるのとないのとで随分見方の変わるものだと思うので、ありがたかったです。

アジアとの交易について、などは数作品をまとめて解説していて、一か所に固まらず歩きながら聴けるのも良かった。3章の感想のところで書いた音声ガイドは「11」です。ゲーム内での武将の性格がよく分からないですが、こんな感じなのでしょうか?微笑ましくなりました。
あと信長が歌舞伎役者みたいで個人的に斬新だな…と思いました。

 

お土産

今回ゲームとのコラボと、刀剣人気にあやかってグッズがすごく多かったです…!
あと図録の気合いの入れようが尋常ではない。すごい。さすが戦国…!恐ろしく強気なクオリティです。美しい、そして重い…ほんと重い…。
今回は私は図録見送ったのですが、今後買うかも。

いつものクリアファイル。482円でした。
こちらは後期から展示される「短刀 銘 吉光 号 五虎退」。正親町天皇から上杉謙信が拝領した粟田口派の名刀で、個人蔵ということでグッズになることはもしかしてもう無いかな?と思い。

 

こちらは川中島合戦図屏風の一騎打ちシーンのクリアファイル。518円でした。
もう1パターンデザインがあったのですが、こちらのほうが好みだったのでこっちにしました。かっこいいです。

 

あとこちらは人へのお土産用。
色々威腹巻のポストカード(151円)、五虎退のマスキングテープ(453円)、五虎退の一筆箋(324円)。

一筆箋は開くとこんな感じ。淡い紫色です。

5匹の虎を退けた…という伝承のもと、マステには虎が描かれています。可愛い…。

あとこちらもお土産で、ピックです。918円。
これケーキに刺さってたらウケる…。

米沢本洛中洛外図のクリアファイルなんかもあったりして、もっと欲しかったのですがとりあえずはこれで我慢…!!

このあとどうするか

東博の禅展に結局一度も行けなかったことが相当残念で、かわりにこっちの後期もう一回行こうかなー、と思ったのですが、巡回する京都のほうでなんと米沢本洛中洛外図が出るということで…!!!出るということで…!!!!(大事)
2016/2/25~2016/3/12とか…!!まだ桜の季節には早いから激混みではないと思うのですけど…!!
狙っていた京都ディスティネーションの時期は過ぎちゃいますが、こっちのほうが命かけたいのでまた京都遠征の気配。
休み…とれるかなぁ…。

*2017/01/04 追記*

京都での夜間展示のチケットが取れたので人生初洛中洛外図上杉本の現物を観てきます~!すごい嬉しい…!!

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