雑記

【読書記録】 2011.10.23

日経WOMANとか見ててもビジネス書とかみてても、読書記録をつけることがお勧めされていることが多々あります。歴史関係で読んだ本は、備忘録で別スペースにちょこちょこまとめることもあるのですが、普通の読書記録はつけたことがない私。せっかくなのでここで記録していってみようかと思います。が、1冊ごととかやってるとまた書くのがめんどくさいとかで溜まっていきそうなので、まとめ方は固定しない。
アップしてしまえばブログ内検索できてしまうのが私のようなものぐさには非常にありがたいですね!というわけで先週分。

ヘタな人生論より藤沢周平(野火迅/河出書房新社/2011.10.05))

<目次>
一章 家族のかたち
夫婦/父と息子/母と息子/父と娘/嫁と舅/兄と妹/兄と弟
二章 運命に生きる
禍福/別れ/再会/因縁/転落/
三章 心情を懐いて…
無欲恬淡/誤解/悔恨/郷愁/執念/老境
四章 女がいて、男がいる
忍ぶ恋/純愛/道行/好色
五章 信条をつらぬく
約束/一分/知足/忠誠/大尽
六章 勤めるという人生
仕官/浪人/借上げ/飼い殺し/主命
七章 頂点をめざす
上士と下士/派閥/立身出世/政敵/汚職

良かった!以上!!
とで終わりたいくらいなんですが、これは明日の自分のためにもまじめにメモしましょう。久しぶりに夢中になって通勤電車で降りそびれました。この章構成がまたいいです。

歴女ブームのことを言っているのかはわからないですが、「オジサン、オバサンの領分を侵すようにして、若い男女がどしどし藤沢ワールドに押し寄せ始めた」といい、彼らは藤沢文学を「魂の滋養を摂取する「人生の書」」として読んでいる、いいことですなぁ…と感じる、時代小説家でもある野火氏による、藤沢ワールド入門書。
各テーマにまつわる藤沢作品を、本文の一部抜粋や、野火氏の個人的なエピソードなども交えて紹介しています。藤沢作品を読んだことがある人は、おそらく「そう、そうなんだよ…!」と共感すること間違いなしで、藤沢作品を全く読んだことがない方にとっては、興味をもつきっかけになる、まさに入門書としてうってつけかと。ただし結構起承転結を言ってしまっているので、ネタバレNGという入門者の方にはおすすめできません。

私は歴史小説をあまり読まないのですが、その中で自らすすんで著作を買って読みたいと思う唯一の作家が藤沢周平です。元々大学時代のゼミの同期で、地元をこよなく愛する山形男児がいたのですが、彼が「藤沢周平がいいよ…!」と進めてくれたのがきっかけですが、「いい…!」と思う理由は、野火氏があとがきで言われている

しかし、江戸の世と現代につうずる「普遍性」は、やはり存在するのだ。まったく違った価値観・しきたり・信条によって隔てられた両時代においても、共通する愛と憎しみがあり、怒りと悲しみ、苦しみと楽しみ、野望と挫折、恍惚と不安がある―。そのことは、人間についての驚きを、あらためて感じさせる。
その驚きをとおして得られる人間の「普遍性」は、いうなれば、時代の篩にかけられた真性の「普遍性」である。藤沢周平の時代小説には、人生にまつわる本物の普遍性が随所に散りばめられている。藤沢周平の小説世界から、人生を読み取る意味は、まさに、そこにあるのだ。

というのに尽きると思います。
藤沢周平の作品には、司馬遼太郎が取り上げるような史上の人物はめったにでてきません。架空の藩の、ある普通の町人や、一介の武士や、そこそこ偉い人々が主役で、歴史を揺るがすような大事件が起こるわけでもない…。だからこそ、「情感の豊かな」と野火氏が言ったように、藤沢作品にはゆったりとした時間が流れて、それが物語を心に染みこませてくるのではないかと思うのです。
野火氏も「筆者も50を越えたら…」と、何度も節目として50歳を出してきていますが、本当に50を過ぎた男性陣にはお勧め。あぁ、山形へ行きたい。

 

日本文化の形成(宮本常一/講談社/2005.07.09)

<目次>
一 日本列島に住んだ人びと
一 エビスたちの列島
二 稲作を伝えた人びと
二 日本文化に見る海洋的性格
一 倭人の源流
二 耽羅・倭・百済の関係
三 北方の文化
四 琉球列島の文化
三 日本における畑作の起源と発展
一 焼畑
二 古代中国の農耕
三 渡来人と農耕
付 海洋民と床住居
宮本常一譜

民俗学の巨人・宮本常一の遺稿。
不真面目な学生だったもので学生中に宮本先生の著を読んでいなかったのですが、後悔した…やはり巨匠。柳田國男と並んで、ジャンル・時代を問わずに「読んでおいたほうがいい」と各方面から言われていたのですが、まさにその通りだったなと思います。
個人的興味のあるページ部分を折っていったら、付の「海洋民と床住居」ばっかりになりました。多分もう一回読み直すこと決定っぽいのですが、その中から2点メモ。

エビス神なども漂着の伝説を持っているのが多い。漂着したとき寒い日であったので火をたいてエビス様にあたらせた。そうしたらそこに生えていた蘆の片方の葉が焼けて、その後も片方は葉が茂らなくなり片葉の蘆になったという話が、堺市の石津太神社には残っている。エビス神は漁民の祀った神であったが、商家でもこれを祀った。(p176)

居多神社の「片葉の芦」を連想した。こちらは親鸞聖人が配流時にお祈りしたところ、一夜にして片葉となった、ということですが、もとの話はこっちのような気がします。

神社の祭神「大国主」はエビス様に習合されている、というのを見て個人的には断定系。最初は堺市というので、榊原氏の関係かなぁと思ったのですが、石津太神社の「この地は元は浜辺であり、伝承では、伊奘諾命・伊奘册命によって流された蛭子命がこの地に漂着し、携えてきた五色の神石を置いたという。蛭子命が漂着した場所を「石津の磐山」、「五色の石」を置いた場所を「石津」という。鳥居の前の交差点に「五色の石」を地下に埋めたとされる場所があり、その場所を示す地上部分に石が置かれている。」(Wiki)をみた感じ、居多神社の立地条件とも似てるなぁと思ったので気になる。気になる…居多神社の絵図をちゃんと見たい…!この好奇心の駆り立て様…これが巨匠パワーか…!!

稲束を積みあげたものをニウ、ニオなどとよぶところが多いが、ニウは壬生と書き産屋のことであった。すなわち、稲の産屋を意味するところであった。(p183)

真菰で編んだガッポニオの「ニオ」も元々はここからきているのでしょうか。

 

入社3年目までにできること、すべきこと(中島孝志/マガジンハウス/2009.06.25)


ビジネス書は適度に読むのですが、大体読んでしばらくしたらリサイクル行き…というのが多い。
いまだに本棚にいるビジネス書って、『「20代」でやっておきたいこと』(川北義則)と、『人生と仕事の段取り術』(小室淑恵)くらいなのですが、これを残すか今検討中…。
「いますぐチェックしておきたい二十項目」は耳が痛かった…。プライベートでもビジネスでも遅刻はいけない…。20代で~もそうですが、私は「当たり前のことを当たり前にやれ!」と言っている、熱いオジサマのビジネス書が好きなようです。

*2020/12/20 追記*
「入社3年目までにできること、すべきこと」、「「20代」でやっておきたいこと」、「人生と仕事の段取り術」すべてリサイクルしたのでリンクを外しました。
今は今の時代にあったもっと良い本が出ていると思います。

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