ちょうど一年くらい前、名言メモ記事を書きました。(過去記事:【覚書】名言メモ~2011年版~)
その後また色々名言を集めてみたので、まとめます。
2012年に集めた名言
学ぶ心さえあれば、万物すべてこれわが師である。
松下幸之助(1894-1989)
もうじきお誕生日が近いので、先頭に持ってきてみました。
パナソニック(松下電器)の創業者、松下幸之助の名言です。PHP研究所の創設者でもあることから、PHP文庫を買うとこの名言が入った「学ぶ心」というしおりがついてきます。
今と教育制度が違うとはいえ、小学校を退学し、丁稚奉公からスタートした松下氏。実るほど頭を垂れる稲穂かな、日本を代表する大企業を作り上げたのは、この「学ぶ心」を生涯抱き続けたからなんでしょうね。
心だに誠の道にかなひなば いのらずとても神やまもらむ
(心さえ誠の道にかなっているならば、祈らずとも神はお守り下さるだろう)
菅原道真(845-903)
天神様、菅原道真公の有名な歌です。
昔京都の北野天満宮に参拝した際にいただいた栞に書いてありました。当時摂関家を中心とする一部の貴族に朝廷の職は占められていましたが、宇多天皇にその才を愛され、最終的に右大臣にまで昇りつめます。その後は周知の通り、大宰府へ左遷されてその地で亡くなりましたが、道真の死後朝廷内で不幸が続いたことから、道真の祟りと恐れられ、死後野天満宮天神の称号や、太政大臣を追贈されました。
でも私の中にはたくさんの先人の言葉が、受け取ってきた宝物があるので、それをきみらにパスするために、受け売りするために教師になったんですよ
深作時次
誰やねん、て思うでしょうが、「ちはやふる」(弟95音)に出てくる深作先生です。
「受け売り」の恩師の言葉を生徒に伝えると、オリジナルのことはないのかよ、と突っ込まれたことに対する返答です。この言葉をきいて、主人公の千早は「教師」になって、高校のかるた部の顧問になりたい、という夢を持つわけです。
教師だけに限らず、なにかを介して過去と未来を繋ぐ存在に誰しもなれるんだなぁ、と、個人的にグッときたのでした。
生まれ持った才能があるかどうかではなく、好きだと思うことを、ずっと続けられるかどうか、それこそが、才能を手に入れるための、たったひとつの方法なのです。
中越裕史(1979-)
天職(やりたいこと)探し心理学カウンセラーの著書、『いまの仕事で本当に幸せになれますか』(p165)より。
自分が善良な人間だから、善良な映画をつくるんじゃないですよ。自分がくだらない人間だと思ってるから、善良な映画をつくりたいと思うんです。善良なことが自分の中じゃなくても、どっかにそういうものがあるんじゃないかと思う気持ちがなかったら、とても作品をつくれないわけです。
宮崎駿(1941-)
いわずもがなの、ジブリの監督。
若し同志の士其の微衷を憐み継紹の人あらば、乃ち後来の種子未だ絶えず、自ら禾稼の有年に恥ざるなり
(もし同志諸君の中に、私の志を憐み、それを受け継いでくれる人がいるならば、すなわち種子(志)は絶えず、実りの年に恥じないことになろう)
吉田松陰(1830-1859)
長州藩(現在の山口県萩)の兵学者、思想家、教育者。
松下村塾という塾を主催し、高杉晋作や初代首相となった伊藤博文などがここに学んだことから、明治維新の精神的な指導者といわれます。安政の大獄に連座して最期は江戸の小伝馬町で処刑されますが、その直前、牢獄で塾生にしたためたと言われるのが「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂」を冒頭に記した、『留魂録』です。
上の一文は、その留魂録の第八章(章組、読み下し文は講談社学術文庫の『留魂録』(古川薫 全訳注)による)に収められています。人間の人生を四季に例え、松陰自身は今まさに「実りの秋」を迎えようとしている、何事もなしていないようであって、その実った穀物が籾殻なのか、きちんと実った穀物なのかは自分自身には分からないが、その志を塾生へ受け継ぐことができるなら、それは自分の人生が籾殻ではなかったということになるだろう。ということが書かれており、留魂録の中で私個人としては一番好きな部分です。
コメント