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児恋草

  • 2019年3月3日
  • 2019年3月3日
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兒戀草006

本文 富貴と稱し。貧賤と呼ぶも。富者必ずしも貴からず。貧者必ずしも賤しからず。元来貧富は。只財の多寡を言ふのみ。貴賤の如きは。徳と位によりて稱せらる。其位に人爵天爵の別あり。特に長幼の分。君子小人の別あり。故に朝廷には位を尚び。郷黨には齒を尚ぶ。貧富を以て禮を定め序を立つると。古今曾てあることなし。後世人の徳衰へ。一向ら華を競ひ。奢を好み。貪欲の心日に増長し […]

  • 2016年6月26日
  • 2017年9月10日
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兒戀草005

本文 士夫外に職に勤めて録を求む。婦人内に在て奢り。心に任せて之を濫費す。これ易の所謂雷澤歸妹の象なり。其上狡を窮むれば。家を破り徳を棄つ。人生の大禍これより甚だしきはなし。 衣食住の三つは。人の依りて以て生存する所以のものなり。就中食を重とし。衣と住とは之に次ぐ。是故に婦人の職は。専ら庖厨の事に勉むべし。住居は一回之を設くれば。修覆して十年廿年を保つに足る […]

  • 2016年3月25日
  • 2017年9月10日
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兒戀草004

本文 慳貪の念を去り。無心にして心を生ずれば。情想正しく。魂神安く平かなり。抑も人は。天地の間に生れて。天を頂き。地に往す。日月出没し。晝夜交代し。四時推移し。生死相継ぎ。老幼相倚る。尊卑位を定め。男女其徳を徳とす。譬へば鏡の蓋を開くが如く。無心にして我心を開くときは。敢て思慮分別を逞しくするに及ばず。人間の果報は。一念の上に分明なり。之を想と名つく。此想の […]

  • 2016年3月12日
  • 2018年2月17日
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兒戀草003

本文 王侯も人なり。匹夫匹婦も人なり。福禄同じからずといへど。人の徳人の道に兩般なし。各其分限に應じて受用すれば。衣食おのづから餘あり。十善法語の不貪欲戒に。世の人暴飲過食して生を傷ひ命を失ふものは比々たり。飢餓凍餒して死するものは。萬人中に一二を數ふべからずといへり。これ誠に實語なり。偶々不幸にして乞食非人と成り果るものありと雖も。是等も大概は放恣無頼にし […]

  • 2016年3月4日
  • 2017年9月10日
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兒戀草002

本文 手にて携へ足にて行く。何の為めに携へ。何の為に行くとならば。則ち人の事をとり運び。人の道をふみ行ふのみ。抑も身を修め。家を齊(とゝの)へ。各(おの/\)其職分を盡すことは。上天子より。下は庶人に至るまで。かはることなし。就中(なかんずく)人の婦たるものは。殊に齊家(せいか)を以て天職となすなり。夫は一家の大事外事を齊へ。婦は一家の小事内事をとゝのふ。内 […]