著作鳥尾小弥太

【雑談】得庵全書をいまさら入手しました(その他雑談)

タイトルの通りなのですが、鳥尾小弥太の著作をまとめた『得庵全書』を今更ながら購入したので記念にメモ。

得庵全書とは

『得庵全書』とは、鳥尾小弥太の号『得庵』を冠した、文字通り鳥尾の著作をまとめた唯一の書籍になります。
すでに著作権が切れていることから全文国立国会図書館デジタルライブラリーで読めます。

得庵全書 - 国立国会図書館デジタルライブライリー

私も基本は近デジと、学生時代に大学図書館が収蔵していたのでそれをコピーしたものをみて今までやってきたのですが、やはり原書が欲しいなー、とずっと思っていました。
ちょうど今年、比較的状態の良いものが市場に出回ったので、ようやく購入しました。
やっぱり原書が手元にあるのは嬉しいですね。

購入できたので、念願だった有名な巻頭にある鳥尾の写真をスキャンして、鳥尾のページに追加しましたので良ければご覧ください。

なお、得庵全書には補足物として『得庵全集 続編並年譜』という資料が存在します。
これは昭和9年発行でまだ著作権が切れていないため、近デジにはまだアップされていないようでした。
このコピーも持っているのですが、年譜のほうもいつか出回ってきたら購入してみたいなぁと思います。

 

その他雑談

12月5日の鳥尾の旧暦誕生日までになんとか動画の中編作れないかとちょこちょこ資料をまとめているのですが、幕末もさることながら、個人的にやはり鳥尾の軍人としての大舞台は西南戦争あたりだよなぁ…と思ったりしています。
西南戦争時、鳥尾は京都行在所というところに詰めていまして、ハマりたての頃は正直「後方支援か…」と別働第二のほうに夢中だったのですが、社会人になって早数年。このポジションの重要性が分かるようになってきてから読むとめちゃめちゃ面白い…。
(ものすごい大雑把に考えると、この立ち位置は戦国でいうと豊臣政権における石田三成みたいなもんかなと)

で、春先にこのあたりの話で、陸軍通達で陸軍卿である山縣と鳥尾の名前があるものをみていて、改めて「この陸軍省の『達』と『布告』と『布達』って何が違うんだ…」「どういう稟議を経て上がってくるんだ…」って頭を抱えていたのですが、その後国立国会図書館さんの以下を見つけたりして助かりました。

明治太政官期 法令の世界 ※PDF

<メモ>
※不十分と思われるため更新していく予定
布告:太政官より一般国民までを対象に出る法令 ※法律
布達:各諸省より一般国民までを対象に出る法令 ※法規
達:太政官、各諸省より各諸省の関係者までを対象に出る令 ※行政命令

これをなぜ気にしていたかというと、「鳥尾の権限で発行したものが知りたい」と思ったからです。
鳥尾が先に言った行在所勤務になったのは明治10年2月19日の以下の達です。

陸軍中将鳥尾小弥太へ達 行在所内
山縣陸軍卿征討参軍被仰付候ニ有テハ行在所陸軍事務取扱被仰有候事

実はこれより前、明治9年に一度、山縣が士族反乱で東京を離れる際、その期間の代理として鳥尾が全権を持っていた時期がありました。
さすがにこの時点までがそれが無言の効力を発しているとは思っていないのですが、西南戦争期間に鳥尾の名前で出されている布達が複数あり、これはきっと山縣に裁可をとらずに独断で発行することができたのではないかと思っているのです(だからこそ名前が鳥尾になっているのですが)。
もちろんその案自体を一から鳥尾が考えたというよりは、配下にいた優秀な方々が持ってきたやつにハンコ押してただけかもしれないのですが、それでも彼の名前の入った達をみていると、ちょっと考えるものがあるのですね。
なんとかまとめて、アウトプットしたいものです。

<西南戦争周辺の関連資料>

明治前期の法令の調べ方 - 国立国会図書館

国立公文書館 アジア歴史資料センター

どこかでも言った気がきますが、鳥尾と三浦というのは、陸軍を辞するまではなんだかんだいって、山縣の手足になるところに配置され、うまく回していたと思うのです。
それは薩摩系の将校が「パワーこそ力」という感じでTHE 軍人(※誇張)っていう路線の方が多かったのに対し、長州系の将校は「政治家」的な、調整役で重宝されている人がすごく多い気がする…。
戦略立案って感じでもない気がしていて。あんまり作戦ていう作戦を二人が考えているイメージ無い…。
事務面でいうと圧倒的に鳥尾が重宝されていて、これは奇兵隊出身とか山縣と同じ川島地区の出身の縁故だとかそういうのもあるかもしれないけれど、元々彼らの家系であった蔵元の仕事の土台が圧倒的に大きいんじゃないかという気がしています。
要は、鳥尾というのは、数字に強かったんだと思うのですよ(碁も強いもんねそういえば)。
私は鳥尾が経済界の人たちと繋がりがあったのは現実的なとこに足をつけていたからじゃないかと思っていたのですけど、たぶんこっちの話ができたからじゃないかという気がしてきました。
で、三浦は数字とか事務はあんまり強くないのだけど(ルーティンワーク弱そう)、共感能力と説明能力が抜群にうまかったんだろうなと。

そういう特にオチのない妄想を、延々やっていたいです。

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